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Shadow trilogy.
Objects, sketches, collages

田中奈緒子の作品群は、ある種神秘的な世界や感情 - 子供の感覚に近い知覚認識 - の視覚化を中心に展開しています。

そうすることによって彼女は、知覚されるものを無意識のうちに把握分類してしまう言語というシステムから自分自身を解放します。影の三部作の個々の舞台作品と同様に、光と影の相互作用は、馴染みのある感覚と不可思議な感覚の間を揺れ動きオブジェに独特の効果を与えます。

展示されているのは、写真のコラージュと、影の三部作の制作過程に生まれた素描やオブジェの作品です。

素描についてはここに集められたオブジェの基礎を成していて、またそこからコレオグラフィーや作品全体のコンスタレーションが生まれます。

オブジェについては、それらはまず部分的には曲げられたり歪められたりされている物体という印象を与えるでしょう。木や金属のような馴染みのある素材の頑なな強情さ。しかしその第一印象はまやかしなのです ー 田中は決して物体の既存の印に基づいて作ることをしません。そうではなく、彼女の作品は、非物資的な印に形を与え、それら夢にも似た

表象を把握したいという願望に根ざしているのです。

 

繊細に作られたオブジェのその有機的な様には、常にそれが儚いもの、過去へと過ぎ去るものであることが刻まれています。それは動きの途中で固まってしまったかのように、あらゆる観測点からの時間性が明らかにされるようです。それはまた、浮かぶスクリーンに映し出される素描のスライドにも同じことが言えるでしょう。投影によって画像の物質性は打ち消され、光はそれを異化し、活気づけ、そして解釈します。結果として生じるそのパフォーマティブな効果は、空間に予想のつかない共鳴を生み、並行して公演されるパフォーマンスへと繋ぐ架け橋となります。

​アストリット・ハッケル

作品カテゴリーインスタレーション、オブジェ、素描

2017

Sophiensaele, ベルリン、ドイツ

「影の三部作」全作品再公演に際しての企画展

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